かんな座

“俳優橋本環奈”と映画・ドラマの味わい方

おむすび 第18-21週 - JKよりも専門家が似合う

おむすび第18週より
おむすび第18週より

橋本環奈主演朝ドラも本領発揮?。終盤に差し掛かってきた2月放送分のまとめ視聴レビュー。

【※ストーリーの進展に伴い、半ネタバレせざるを得ません。ご了承ください。】

第18 - 21週の一言レビュー

【第18週】またしてもワープのようにライフステージが進み、だいぶ大人になった(橋本環奈)が専門職として日々経験を積んでいく職業ドラマが繰り広げられる。すでに子持ちだったなどこれまでの経緯を忘れそうだ。専門家としてのランクアップに至る苦労が描かれないから、応援目線になれないけどこれでいいのか?。心を閉ざした少年患者、面倒な実業家患者、怖い医師…。持ち前の「ギャル」精神で相手の懐に入っていく結。単なるスリルとは呼べない病院仕事の重みを追体験させてくれるのは良いけど、尺の関係で金曜日にはしっかり着地。

 

【第19週】引き続き職業ドラマがメイン。若い痩せすぎ患者に世代間ギャップを感じて戸惑う結。姉としてある種の解答を提示する仲里依紗)は楽観的だけど本質を突き、時代へのさりげない警告かも。環奈の専門家はとても頼もしく、こんな真摯に向き合ってくれたらありがたいと思えるような役どころが板についている。ほのぼのモードからハードな展開への非情な急転換もリアリティがあって映像的に退屈しない。じっくり一つのシチュエーションを描くようになってきた一方、愛子麻生久美子)のエピソードは終わってみるとほんのスパイスでしかなかった。

 

【第20週】とにかく話を転がす終盤は、娘が立派に活躍してるところを見て嬉しくなる親心を追体験させられたり、色々ある家族というものをそれぞれの視点でみつめる人生の縮図ドラマが重なってくる。「頑張る女性のドラマ」としても本領発揮感。脚本も少し専門的に。緊張感誘うカメラワークがずるいけど、米田ファミリーは良い家族だと思う。「頑張る女性」環奈の結はいい意味で健気さはあんまり感じなくて、真面目さとか深刻さが伝わってくる。そこは環奈の持ち味だと思う。

 

【第21週】「米田家の呪い」の正体が判明する週。ストーリーを盛り上げる材料として過去の災害や実在の人物を混ぜるのは結構ずるい。元スポーツ選手本人が出てきたくだりは、馴染まないコミカルに呆気にとられた。親子の確執エピソードは聖人役の北村有起哉の絶妙な感情表現で成立している。永吉松平健)のキャラ設定やメッセージ性は良いけど、アリバイ的な終わらせ方が残念。

気になった点

博多弁(あるいは博多弁に限りなく近い方言)を「福岡弁」と呼ぶのはよくない(*1)(*2)。1回くらいなら「そのキャラが無知だった」として流せるが、どうもセリフで統一されているのよね。時代考証と同じくらいきちんとしてほしかった。

いろいろ噛み合ってきたけど…

環奈は真面目で真摯な悩める専門家(※職名を書いても良いんだけど一応ネタバレ防止に)・結がとてもよく似合っているし、馴染んでいると思った。実年齢が上がってきたせいかもしれないが、JKよりも見た目の説得力があった。作品としてもおそらく一番描きたかった部分に入ってきて、概ねいろんな要素が噛み合ってきた感じはある。

これまでの“ダイジェストドラマ感”も壮大な前フリと考えればまあギリギリ許せるか。

だけれどもどれだけの人が離脱せずについて来られたか?。

手の込んだ脚本にもかかわらず、終盤へきても圧倒的なエネルギーみたいなものを感じない。結たちのノリに居心地の良さは覚えるものの強く心に訴えかけてくるものがないんだよね。

これエンタメでとっても大事なこと。最後の最後でドカーンといかないかなあ?。

【まあ3.5】観る側も世界観に慣れてはきたけど…

作品データ・視聴情報

おむすび
種別 帯テレビドラマ(NHK
製作国・放送年 日本 2025年 (2024年9月30日 - 2025年3月)『連続テレビ小説
出演 橋本環奈/仲里依紗佐野勇斗内場勝則松井玲奈中村アン濱田マリキムラ緑子麻生久美子宮崎美子緒形直人北村有起哉松平健
演出 野田雄介/小野見知/松木健祐/盆子原誠/大野陽平/工藤隆史/原田氷詩

*1:福岡弁というと、福岡市の福岡部(天神あたり)でかつて話されていた武家言葉であり現在はほぼ使われない言葉を指してしまう。博多弁は元々福岡市の博多部(祇園駅あたり)の町人言葉で現在は周辺地域にまで話者圏が拡がる(橋本環奈本人の母語でもある)。糸島の方言は同じ「筑前方言」の下位方言で博多弁と大差ないといわれる。

*2:福岡県は方言の大きな分類(肥筑方言と豊日方言)の境界が通っており、「福岡県の方言」という括り自体が存在しない。