橋本環奈が泥棒娘を刃物で襲う。老婆と入れ替わる深田恭子。コミカルさとシリアスさがより鋭くなった中盤もジェットコースター展開。
第4話ガイド&ツッコミ
環奈の美雲ちゃん 意外な弱点であえなく撃沈
あの時助けてもらったお礼がしたい!
美雲(橋本環奈)はダッシュで和馬(瀬戸康史)の家へ行き、ピンポン。が、出てきたのは和馬の母・桜庭美佐子(マルシア)だった。和馬がいないのでは怪しまれる。
息子の秘密《Lの娘との結婚》を守らねばと時間稼ぎについた嘘の刺激が強すぎて美雲は退散し、ことなきを得る。うぶ過ぎる美雲。
一方、華(深田恭子)ファミリーもドラえもん的な道具を娘・杏(小畑乃々)の友人から隠すのに一苦労。親が泥棒だなんて杏に顔向けできない。
そんな折、杏が通う学校のPTA会長の家に泥棒が入り「翡翠の王冠」が盗まれる。父・尊(渡部篤郎)らが狙っていたものだから動揺を隠せない華。
自分が継がないことでLの一族が絶滅するのが困るなら兄に継がせようと渉(栗原類)をけしかけるかわいい顔して鬼畜な華。
真に受けた渉は一念発起してあろうことか44歳で「婚活」を始めて家を出てしまう。
「オフィスラブしちゃいそうな」環奈
和馬への恋心が芽生えている美雲は詐欺師の捜査(第3話)の時の態度を勘違いしてさらなる接近を図ろうとする。ミイラ取りがミイラになるのでは。執事の懸念をよそに「作戦」だと言い放つ。どう見ても私情に突き動かされるスケベ美雲ちゃん。
刑事美雲を演じる環奈は清楚だけど仕草や態度がどことなく色っぽくて「オフィスラブしちゃいそうな部下の女性」な雰囲気。これはメイクのせいだけじゃない。そういう雰囲気出せるようになったんだなあ、年齢もだけど人生経験重ねたのかなあと思うとスケベチックで感慨深い。
渉の失態で娘がやばい ミステリ的意外な展開
喫茶店でのママ友集会にわざわざ出向いてほら話を始める尊らを不審がる華。
華にも美雲にも誤解必至な一手を打ってしまう毎度お馴染み“ミスター脇甘”の和くん。
「夫が不倫かも?」と落ち込み、友人家族のホームパーティーでやけ酒気味な深キョン華。誤解のズレ、ありきたりだけど期待を裏切らない。
その頃、高齢婚活渉くんのお手柄のような大失態が判明。これが元で杏の命が危機にさらされた。
最悪の状況に。
どうすればいいの?生活感ゼロの深キョン、ベタな感情表現から覚悟へ。それはもうミュージカルさながら。わかりきった嘘を楽しむ作品の醍醐味だー。
「華、今動けるのはお前だけだ。できるな?」
酔いもそのままに!変身。
が、今度は予想もつかない衝撃の展開。卑劣な敵と激しいアクション。和くん刑事の面目躍起…いや、コナン君美雲の名推理が意外にもすんごい役に立つことに。
最後はしなやかなテクニックで食い込む美雲ちゃん。わずかな隙間逃さずLの一族に名探偵が迫る。
王道ズレ展開は大した広がりなかったけど引っ掻き回されて第5話へ続く!
第5話ガイド&ツッコミ
失恋ショックから?なりふり構わない美雲
美雲はあっさり失恋する。Lの一族を暴き出すための「作戦」だったのに胸が締めつけられるように痛い。
失恋ショックじゃなくてなかなか正体に迫れない悔しさからLの一族と和馬を調べるため古典的な方法も厭わない。なりふり構わない美雲ちゃん。
祖母と中身が入れ替わる華
まだまだ貪欲にパロる確信犯ルパンの娘。あいつが華でわたしがババアで。深キョンがババアになってしまった。華とマツ(どんぐり)の身体が入れ替わる。
絵に描いたような悪の女王みたいに妖艶な大泥棒・ドロンジョ様こと双葉美羽(田中みな実)が色仕掛けで刑務官を誘惑し脱獄してきた。写真を隠し撮りされてしまい生きていることがバレたLの一族はこいつの記憶を消去させるしかない。
入れ替わりはドロンジョ様のアジトに潜入するためのプランだったが、バグにより元に戻らなくなってしまった。期待を裏切らないご都合展開。
見た目華になったマツは役得とばかり和馬くんを至近距離で味わう。和くんの隣りで寝起き目線が主観大人映像みたいでやらしい。瀬戸くんファン向け視聴者大サービス。
追い討ちをかけるように杏の学校の先生に呼び出される事態が発生。マツと一緒に出向くしかない老婆姿の華。深キョンがマツを演じるおかしさ。
そんな頃、弱みを握られた和馬がまたまた捕まった。いい加減にしないと本当に死んじゃうよ。
田中みな実の女王様に翻弄される深キョン老婆
ドロンジョ様は捕らえた和馬に無茶苦茶なショーを要求。ファンタジーゲームみたいなラスボスダンジョン。盗みたいのは二人の「愛」?相手はなんと見た目華のマツ。
まさか和馬くんババアと心中?
見た目マツの華がメインで変身して救出だ。身体は86歳のご老体ダークヒーロー。大丈夫か。
破天荒な社交ダンス風ペアアクション。ミュージカルが敵を倒す?
最後の最後で波乱の上にさらに波乱の予感。
ついにファミリーの前に現れた美雲。
学校通ってたら普通バレるよな!
第6話へ続くぞー。
第6話ガイド&ツッコミ
美雲の急接近を撃退したのはスナフキン渉
脱獄した泥棒女王様を「一人で」逮捕した和馬を惚れ直す美雲だったが、現場に残された証拠からLの一族と和馬の関係を示すものを発見してしまい、直接確かめようと行動を試みる。
あわやLの一族正体バレ。この危機を回避させたのは、8年越しの美雲推し(第2話)・渉だった。しかし、密かに恋心抱いていた相手を撃ってしまったことで渉は落ち込んでしまう。
親の職業見学でまさか泥棒を?
一方、杏の学校では「親の仕事を見学して発表する」授業が。和馬は刑事で危険だから無理だし、そもそもLの娘と結婚していることを秘密にしないといけない。幾度となく押し寄せる身バレ危機もここまでくるとかえって微笑ましい。
「だったらじいじたちの仕事を見学してみるか?」
尊の余計な計らいで祖父母のでっち上げた「会社」を見に行くことに。大喜びの杏に心配な華。
豪華な「オフィス」や調度品はもちろん不法侵入に盗品だ。もっともらしく“仕事の心得”を開陳する尊を何も知らない杏がまじめに取材。心でツッコミ入れる華。王道コミカルがリズミカルでおかしい。
環奈美雲が短刀で深キョン華に斬りかかる
同じ頃、警察署では名探偵刑事美雲がLの一族を追い続けてきた理由を和馬に切々と訴え、捜査開始を本庁に進言することを提案。
ひどく悩んだ和馬はこの話を尊に漏らして阻止を図ろうとする。だが、美雲の話には巧妙な罠が仕掛けられていた。
和馬への恋心や信頼を断ち切り、復讐心を完全に取り戻した美雲は、Lの一族の仇討ちに突き進む。
一度惚れた相手を汚いものでも見るかのような目で見て…。
罠に引っかかったLの一族は正体バレの危機どころか生命の危機に。
期せずしてぶつかり合う美雲の殺意と華の勇気。ここの警察署不祥事多すぎ。
短刀で深キョン華に斬りかかる環奈のあらわになる復讐心の表現が強烈。こういうの見たかったんだよ。※個人の趣味です
格好が「ホームズ風コナン君」なだけでサスペンスドラマの真犯人そのもの。迫真の立ち回りを見せる。
騙し騙されどんでん返し。
最後に勝つのはずる賢い泥棒という点が『ルパン三世』。意外としぶとい銭形のとっつぁん。Lの一族逮捕だー。みたいな。
第7話どーなんのー?
中盤まとめ
大人も楽しませる“テーマパーク”を作る力量
ダークヒーローな泥棒、禁断の男女関係、名探偵の仇討ち、事件や宿敵登場…弁当のように複数要素詰め合わせでジェットコースターのような高速で振り回される刺激。
中盤まで観続けていると「ベタ」で「くさい」けどテレビドラマとして一定品質で仕上げる作り手と演じ手の力量が見えてくる。(筆者は『かぐや様は告らせたい』のトラウマがあるから余計に)
各話に登場するミュージカルな歌のシーンは、「くさい」けどダンスや歌を魅せる本物のスキルがないと成立しない。悲劇の流れを盛り上げているのは確実に俳優の演技だし。
「ベタ」で「くさい」ことやるからこそプロが必要なのだ。ディズニーランドのミッキーマウスとかショーに出る人のように。そしてそれをわかっていて楽しむ。
視聴者を引っ掻き回したりご都合主義的な展開はあるけどそれも含めてファンタジーなマジックかも知れないね。
持ち味が生かされる環奈の隠れ仇役
環奈の隠れ仇役は環奈の持ち味が生かされていてよく合っている。この役の巡り合わせはとても幸運なことだと思う。
ただ、“役者風演技”になってきているのは一抹の寂しさを感じなくもない。『セーラー服と機関銃 -卒業-』のあれは素だったんだなあ(?)と。
それからシリアスパートで大人の色恋感じさせる役やっても違和感ない環奈。2時間ドラマで横恋慕する役できるわ。
ちなみに環奈を観続けるレビューサイトとしての悩み。
マニアックなものとか盲信的ファン向けの話あるいは一過性の刺激的なネタしか流行らないようなwebの中で「一風変わっているけどメジャーな範囲の大衆作品」ばかり出る環奈作品メインで扱うことの難しさはある。けれども観続けることで発見がある喜び。灯台下暗しに光を照らすつもりでどんどん突き進んで行きたいね。
さあ、終盤へ行くぞー。
【3.5】
作品データ・視聴情報
ルパンの娘 | |
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種別 | テレビドラマ(フジ系) |
製作国・公開年 | 日本 2020年 (2020年10月-12月期) |
出演 | 深田恭子、瀬戸康史、橋本環奈、渡部篤郎 |
監督 | 武内英樹、洞功二 他 |
現在観る方法 | 配信(FOD)、Blu-ray、DVD |